黒っぽいWEBサイトが重く見える原因は?明るさを足す配色
黒っぽいWEBサイトは、写真やブランドの雰囲気に合っていても、ページを開いたときに「少し重い」と感じられることがあります。暗い色そのものが悪いのではありません。暗い面が長く続き、情報を読む場所まで同じ明るさに見えると、どこに注目すればよいか分かりにくくなります。小さな映画館の上映案内を例に、暗い世界観を残しながら明るい面を足す方法を紹介します。
重く見えるのは、暗い面が続いて情報の切れ目が見えないとき
映画のポスターを引き立てたいページなら、冒頭に暗い背景を使うのは自然な選択です。ただし、タイトルのある冒頭、上映時間、料金、座席予約までほぼ同じ暗さにすると、画面全体が一続きの面に見える場合があります。ここで見直したいのは、黒の使用そのものよりも明るい部分の置き場所と面積です。
例えば、ページ背景が青みのある黒#171C24、上映情報カードが暗い青灰色#242B34なら、2色のコントラスト比は約1.20:1です。2つの面を色だけでは区切りにくい組み合わせです。さらに補足文字を灰色#879198にすると、カード背景#242B34との比は約4.44:1で、通常サイズの文字の基準4.5:1にわずかに届きません。
一方で、黒い背景に明るい色を増やしすぎる必要もありません。ポスターと映画のタイトルが主役なら、冒頭の暗さを保ち、上映時間と予約内容を読む部分だけを明るくする方法があります。「すべてを明るくする」より、暗い部分と明るい部分の役割を分けます。
映画館の上映案内で、暗い冒頭を残して情報欄を明るくする
架空のミニシアターの特集上映ページを想定します。映画の写真やタイトルが並ぶ最初の領域は、青みのある黒#171C24のままにします。タイトルは温かみのある白#F0EEE7、作品の短い紹介は淡い青灰色#CAD2D7にし、小さな装飾線に落ち着いた金色#D1A46Cを使います。上映時間や料金のエリアには明るいアイボリー#F5F1E8を足し、情報カードは白#FFFFFFに変えます。
| 場所 | 変更前の色 | 変更後の色 |
|---|---|---|
| 映画写真のある冒頭 | 青みのある黒#171C24 | 同じ青みのある黒#171C24 |
| 冒頭のタイトル | 温かい白#F0EEE7 | 同じ温かい白#F0EEE7 |
| 冒頭の紹介文 | 淡い青灰色#CAD2D7 | 同じ淡い青灰色#CAD2D7 |
| 上映情報エリア | 暗い青灰色#242B34 | 明るいアイボリー#F5F1E8 |
| 上映情報カード | 暗い青灰色#242B34 | 白#FFFFFF |
| 上映日時の見出し | 温かい白#F0EEE7 | 暗い青灰色#29353D |
| 料金などの説明文 | 中間の灰色#879198 | 濃い青灰色#47545C |
| 時間を示す小さな欄 | 暗い青灰色#242B34 | 淡いグレージュ#E8E0D2 |
| 時間欄の文字 | 中間の灰色#879198 | 暗い青灰色#3A4B50 |
| 「座席を予約する」ボタン | 暗い青灰色#313E49 | 深い青緑#285C60 |
| ボタン文字 | 白#FFFFFF | 同じ白#FFFFFF |
| 情報カードの枠線 | なし | 青灰色#657780 |
変更前の暗い予約ボタン#313E49とカード#242B34の比は約1.30:1です。白いボタン文字#FFFFFFと暗いボタン#313E49は約10.96:1あっても、ボタンの色面自体は周囲に埋もれがちです。変更後は明るいエリア#F5F1E8を設け、その中の予約ボタン#285C60と背景の比を約6.68:1にします。主要操作と周囲の情報を区別しやすくする例です。
実装時は、映画写真とタイトルを暗い冒頭に残し、上映日時・料金・予約の部分に別の背景色を割り当てます。CSS(WEBページの見た目を指定する仕組み)では、例えば次のように背景を役割で分けられます。
.cinema-hero {
background-color: rgb(23 28 36);
color: rgb(240 238 231);
}
.cinema-program {
background-color: rgb(245 241 232);
padding: 32px 20px;
}
.cinema-program-card {
background-color: rgb(255 255 255);
color: rgb(41 53 61);
border: 2px solid rgb(101 119 128);
}
.cinema-booking {
background-color: rgb(40 92 96);
color: rgb(255 255 255);
}
明るい面を追加したら、文字・カード境界・操作色を確認する
HEX(16進数で色を示すWEB用コード)で指定した色は、実際に隣り合う背景と組み合わせて確認します。暗い冒頭#171C24に置く温かい白のタイトル#F0EEE7は約14.73:1、淡い青灰色の紹介文#CAD2D7は約11.17:1です。白い情報カード#FFFFFFの上では、見出し#29353Dが約12.57:1、説明文#47545Cが約7.80:1になります。時間欄の文字#3A4B50と淡いグレージュ#E8E0D2は約6.96:1、予約ボタンの白文字#FFFFFFと青緑の背景#285C60は約7.53:1です。
WCAG(WEBコンテンツのアクセシビリティに関する指針)2.2では、通常サイズの文字に原則4.5:1以上、規定の大きな文字に3:1以上のコントラストが求められます。明るいエリア#F5F1E8と白いカード#FFFFFFの比は約1.13:1なので、カードの輪郭が情報の理解に必要な場合は枠線#657780を追加します。枠線はカードの白#FFFFFFと約4.66:1、外側のアイボリー#F5F1E8と約4.14:1です。重要なUI(画面の操作部品)の境界などでは、隣接色との非テキストコントラストも確認します。
暗い部分の面積を減らしても、写真やポスターの色をすべて明るく補正する必要はありません。掲載する作品によって印象は変わるため、実際の画像と文字を並べて、スマートフォンでも上映時間から座席予約まで追えるかを点検します。HueRollでは色のHEX値やティント(明るい関連色)・シェード(暗い関連色)を確認できますが、コントラスト表示は選択色と白・黒との比較に限られ、任意の2色の比較やAA・AAAの自動判定はできません。ここで示した2色間の比率は別途計算した値です。